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左サイドから名波が持ち込み、中山にパスを出した。中山はゴール正面やや左、十数メートルの距離。 フリーでボールを受けた。チェコの攻撃をしのぎ迎えた、前半終了間際の44分、だれもがシュートを期待した決定機。 中山は、再度名波にパスを返し、この日一番のチャンスをつぶす。(東京新聞、5月25日のスポーツ欄より。筆者は桜井孝雄) これはキリンカップ、対チェコ戦評のひとこまである。
私はサッカー大好き人間に過ぎないが、国際試合やJリーグを観ていて、 思わず「打て」と叫ぶ瞬間がある。高校サッカーではなおさらだ。 点を取るのが仕事のFWなのに、他の選手にパスを回したり、タイミングが遅れたりして得点機を逃がすことが多い。 「決定力不足」が、日本サッカーの永遠のテーマであって欲しくない。「シュートで終われ」と私も叫びたい。 なぜ打たないのか。親しいサッカー通は「打てないのだ」と言う。
強いチームのDFは競り合いに強く打たせてくれない。 「コースを消して」まともに打球をゴールに向かわせない。ゴール前の攻防は、目ばたくほどのごく短い時間が勝負なのだ。 それゆえに「芸術」といわれる。MFもシュートに加わらないと堅いゴールを割ることはできないだろう。 そしてシュートを打つ人は、弱気を捨てもっと自信を持った方がよい。 全国準優勝を飾った一昨年の桐光チームは、華麗なサッカーを展開して観客を酔わせた。すばらしいチームだった。 もし、一つだけ言わせて貰えば、きれいにボールを回して、なかなか斬り込まない傾向があった。 技術がなければ、まねのできないスタイルだ。だが、巧いチームは、荒けずりで縦一本のパスに攻められると、思わぬ足をさらわれることがある。 インターハイベスト8入り。きっと全国切符を手に入れてくれるだろう。
連載コラム No.4より
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